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【SaaS×生成AI】ISMS担当者が知るべきリスクと対策

SaaS(Software as a Service:ソフトウェアをクラウド経由で提供する仕組み)と生成AI(新しいコンテンツを生成できる人工知能)が不可欠となった現代。ISMS担当者には、各SaaSの仕様を再評価し、機密保持やリスクアセスメントの基準をアップデートすることが求められています。

本記事では、ISMS担当者が知っておくべきリスクと、その対策について解説します。

SaaSへの「生成AI」実装急増とISMSへの影響

チャットツールやCRMなど、日常業務で利用するSaaSへ生成AIの実装が急速に進み、利便性が向上した一方でISMS運用には新たな課題が浮上しています。担当者にとって、アップデートで予期せず追加されるAI機能への対応は急務といえるでしょう。

これまでの管理策は、データの保管とアクセス制御が中心でした。しかし生成AIの組み込みにより、学習への再利用リスクや誤情報の出力など、従来の方法ではカバーしきれない新たなリスクが生じています。

「いつの間にか」実装されるAI機能の脅威

既存SaaSのアップデートによりAI機能が「いつの間にか」実装されるケースが急増しています。

新たなツールの導入ではないため、ISMSの「変更管理」や「リスクアセスメント」が追いつかないまま機能だけが現場に開放される現状は大きな脅威です。加えて、要約や自動作成といった利便性の高さから、従業員が悪気なく機密データや個人情報を入力してしまうリスクも高まっています。

ISMS担当者が抱える「管理不能」の悩み

ISMS担当者が今もっとも頭を悩ませているのは、既存SaaSにAI機能が実装されることで引き起こされる「管理不能」な状況です。

新ツールの導入時のような審査プロセスを経ず、アップデートだけでAI機能が追加されるため、従来のリスクアセスメントが追いつきません。さらに厄介なのは、SaaSごとにAIの仕様や規約、オプトアウト設定の有無がバラバラな点です。

こうした状況から担当者は膨大な更新情報を一つずつ追い、ルールの策定という終わりの見えない作業に追われています。もはや従来の運用限界を超えつつあるといえるでしょう。

ISMS視点で見る「SaaS×生成AI」の3大リスク

ISMSの視点から「SaaS×生成AI」の実装を捉えると、従来の管理策を揺るがす3大リスクが浮かび上がります。「機密性・完全性・可用性」の観点から、とくに注意すべき点を見ていきましょう。

入力データの学習利用による情報漏えい

生成AI利用時の懸念のひとつは、SaaSに入力した機密データがAIモデルの学習に利用されるリスクです。多くのサービスでは初期設定で「学習を許可する」にチェックが入っているケースも多いため、確認を怠ると重大なインシデントに繋がりかねません。

自社の顧客リストや未発表のプロジェクト情報が、意図せず他社のAI回答として出力されてしまう恐れがあるのです。

しかし、無料プランでは入力データが学習に使われる仕様でも、有料のエンタープライズプランに切り替えることで初めて学習対象外になるサービスが存在します。

利用する際は、有料ライセンスを契約しているか、設定で「AI学習への利用」がオフになっているかを必ず確認しましょう。

「シャドーAI」によるガバナンスの形骸化

ISMSを運用するうえで非常に厄介なのが、会社が許可していないツールを勝手に使う「シャドーAI」の問題です。

個人で契約しているAIサービスを業務で使ったり、既存のSaaSに個人のアカウントを連携させたりする行為は珍しくありません。こうした使い方は、社内で一生懸命に定めたセキュリティのルールを容易に無効化してしまいます。

中でもリスクとして挙げられるのが、機密データが会社の目の届かない外部のAIへ送られ、データがどこにあるのか全くわからなくなってしまう点です。一度送信された情報を回収するのは不可能に近く、仮に情報漏えいが起きても会社側は気づくことすら困難な状況に陥ります。

こうした状況が常態化すれば、ISMSの根幹である資産管理やリスク評価は名目上のものとなり、組織のセキュリティ統制は崩壊してしまいます。

出力情報の権利侵害と不正確性

生成AIの成果物(コードや文章)をチェックせずにそのまま業務利用することは、組織に重大なリスクをもたらします。AIの仕組み上もっともらしい嘘をつく「ハルシネーション」という現象が起きやすく、誤った情報を広めてしまう可能性があるからです。出力された内容に他人の著作物が混ざっているケースもあり、気づかないうちに著作権を侵害してしまう恐れも否定できません。

これは、ISMSで求められる「法律を守る(法的要求事項への適合)」というルールに対する大きな脅威となります。

また、外部のAIサービスを利用することは、中身がどう動いているかわからないシステムに業務を任せるようなものです。従来の「委託先を管理する(供給者管理)」という枠組みだけでは、どうしても防ぎきれないリスクを抱える結果を招きます。

そのまま鵜呑みにせず、必ず人間が内容をチェックするといった新たなルールを作り、徹底していくことが急務となるでしょう。

生成AI時代に求められるISMS運用の見直しポイント

生成AI時代におけるISMS運用見直しのポイントは、「データの出口管理」へのシフトです。ISMS(ISO/IEC 27001)の枠組み内では、「リスクアセスメントの更新」と「管理策の追加」によって対策を講じます。

従来のアクセス制御に加え、入力禁止情報の定義やAI利用ログの監視を強化。加えて、誤情報の拡散(ハルシネーション)を前提とした「人間による最終確認」をルール化し、従業員への教育を徹底することが、実効性のある対策となります。

利用ガイドラインと資産目録の更新

リスクが怖いからといって、社内での生成AI利用を「一切禁止」にするのはあまり現実的ではありません。むしろ隠れてコソコソ使うシャドーAIを助長してしまうため、情報の重要度に合わせて「どこまで使っていいか」のレベルを決めるのが効果的です。

「社外秘のデータや個人情報は入力NG」「すでに公開されている情報の要約ならOK」など、メリハリをつけた運用がガバナンスを機能させます。

また、SaaSのAI機能自体を、会社の重要な「情報資産」として認識することも忘れてはいけません。社内の資産目録(リスト)にAIの機能や学習のオン・オフ設定を明記し、安全に使える状態か定期的にチェックしていく姿勢が求められます。

従業員教育のアップデート

生成AI時代のISMS運用はルールを作るだけでなく、従業員教育の抜本的なアップデートが必要不可欠です。従来の情報漏洩対策に加え、特有のリスクを正しく理解させる教育が求められます。

具体的には、機密情報を守るためのプロンプトエンジニアリングやAI倫理、成果物(コードや文章)の権利侵害リスクに関する教育です。加えて、AIがもっともらしい嘘をつくことを前提とし、出力された内容の事実確認(ファクトチェック)を習慣づけるような研修も効果的でしょう。

従業員一人ひとりのリテラシーを高めることが、結果的に組織全体を守る強い盾となってくれます。

自社運用だけでは限界?コンサルタント活用のススメ

SaaSの進化スピードとAIリスクの複雑化により、他の業務と兼任している総務部などのISMS担当者だけでは、すべての対策を網羅するのが困難になっています。

日々更新される利用規約やAI学習設定のオプトアウト可否を通常業務の傍らで精査し続けるのは、もはや現実的ではありません。

変化の速いSaaS・AIリスクに追従するために

利用中の各SaaSが規約を変更したり新機能を追加したりするたびに情報をウォッチし、リスク評価シートを更新し続ける作業には膨大な工数がかかります。

社内の限られたリソースだけで無理に対応しようとすれば、本来集中すべき業務に支障をきたしてしまうでしょう。

そこで、最新のトレンドや他社の成功・失敗事例に精通した外部コンサルタントの知見を借りる手段が有効です。

専門のコンサルティング会社を活用すれば、自社の予算・取得までの期間・手厚いサポート体制といった条件を整理し、複数社の違いを比較検討しやすくなります。第三者である専門家が根拠を提示してくれるため、上長や経営層への論理的な報告もスムーズに進みやすくなるでしょう。

社内の作業負担を大幅に削減しながら、効率的かつ安定したISMS運用を実現できる大きなメリットがあるのです。

まとめ

日常的に利用するSaaSへ生成AI機能が実装されるスピードは、今後もさらに加速していくと予想されます。ISMS担当者は「いつの間にか追加される機能」や、従業員の「シャドーAI」といった見えにくいリスクに真正面から向き合わなければなりません。

情報漏えいや権利侵害といった致命的なトラブルを防ぐためには、社内ガイドラインの早急な見直しと、実践的な従業員教育のアップデートが不可欠です。しかし、変化の激しいAI時代において、自社だけの運用に限界を感じる場面もあるでしょう。

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