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利用者側でやるべきこととISMS認証の重要性を解説

「SaaSのBCP対策」とは?
利用者側でやるべきこととISMS認証の重要性を解説

クラウドサービスが普及し、多くの企業がSaaS(Software as a Service)を業務基盤に取り入れています。しかし、SaaSのセキュリティ機能と利用者の責任について十分に意識しておらず、予期せぬリスクへの備えは万全ではケースも少なくありません。

本記事ではSaaSのBCP対策とISMS認証の重要性について解説します。

なぜ今「SaaSのBCP対策」が重要なのか?

組織にとって「SaaSのBCP対策」が重要な理由は、現代のビジネス環境がSaaSのインフラに深く依存しているためです。もちろんSaaSには多くのメリットがありますが、利用が拡大するにつれてSaaS上のトラブルも増加しています。

ここからは、SaaS利用における特有のリスクや対策を怠った場合のリスクについてまとめています。

BCP対策の基本とSaaS利用における特有のリスク

BCP対策とは「事業継続計画(Business Continuity Plan)」の略称で、不測の事態においても事業を中断させず、継続するための対策を講じることを指します。

具体的には、自然災害やサイバー攻撃といった事態に備え、損害を最小限に抑えて事業を継続、または早期復旧させるための計画を事前に策定します。

しかしSaaS利用時には、従来の想定に加えて独自のリスクが生じます。代表的なものとしては、サービス提供側の障害、アカウント乗っ取りによる情報漏えい、利用者側の設定ミスによるデータ消失などがあります。

利用者自身で直接コントロールできない部分も多いため、従来型のBCPだけでは不十分なのです。

理解必須!SaaSにおける「責任共有モデル」とは

SaaSのBCP対策を考える上で、必ず理解しておきたいのが「責任共有モデル」という考え方です。これは、クラウドサービスのセキュリティについて、サービス提供者(ベンダー)と利用者である企業のどちらがどこまで責任を負うのかを明確にしたものです。

多くの場合、「クラウドサービスを使っているのだから、セキュリティやデータ保護はすべてベンダーがやってくれるはず」と考えがちですが、これは大きな誤解です。

確かに、ベンダーはサービスの基盤となるインフラやアプリケーションの維持管理に責任を負っています。しかし、そのサービス上で扱うデータや誰がそのデータにアクセスできるかを管理する責任は、利用者側にあるのです。そのため、設定管理・脆弱性対応は、利用者側の責任であり、安全な運用には高い専門知識が必要になります。

簡単にまとめると、サービス提供者(ベンダー)側の責任範囲はSaaSの「器と仕組み」であり、利用者側の責任範囲は「自組織のデータと使い方」となります。

SaaSのBCP対策を怠った場合のリスクとは

SaaSのBCP対策を怠ると、単なる業務の不便さにとどまらず、組織の存続を脅かす深刻なリスクにつながります。例えば、重要データの完全な消失・業務停止による売上機会の損失・社会的信用の失墜・損害賠償問題への発展などが考えられるでしょう。

そうならないためには、SaaS事業者の対策だけに頼るのではなく、利用者自身が自組織にかかるリスクを洗い出し、BCP対策を策定することが大切なのです。

利用者側で実施すべきSaaSのBCP対策

ここからは、利用者側で実施すべき主なSaaSのBCP対策を解説します。

データ消失を防ぐバックアップ戦略

データ消失を防ぐためには、SaaS任せにせず、利用者側でデータ管理とバックアップを徹底することが重要です。

SaaSには基本的なバックアップ機能が備わっていますが、それだけでは十分とは言えません。なぜなら、ベンダー側の障害だけでなく、自社の従業員による誤操作やサイバー攻撃によってデータが消えてしまうリスクもあるからです。

そのため、顧客情報や業務データなど、組織の生命線となるデータは別のクラウドストレージや遠隔地のデータセンターなどに分散して、バックアップ・保管します。ひとつの場所に集約するのではなく、別のストレージや遠隔地のデータセンターなどに分散して保管することで、災害時のデータ損失リスクを低減できます。

実際にバックアップデータから復旧できるか、定期的にテストを実施し、有事の際にスムーズに復旧できる体制を整えておくとよいでしょう。

人的ミスや不正アクセスを防ぐ管理体制

BCP対策における人的ミスや不正アクセスを防ぐための管理体制は、技術的な側面だけでなく、組織的なルール作りや従業員の意識向上にも焦点を当てる必要があります。

基本的な方法は、異動や退職時の迅速なアカウントの削除などのアクセス権限を厳格に管理することです。また、多要素認証(MFA)の導入のような技術的な対策に加え、従業員のセキュリティ意識を高めるための定期的な研修なども、効果的な対策のひとつです。

緊急事態に備えた従業員への教育と訓練

策定したBCPが形骸化してしまっては意味がありません。緊急時に適切な行動を取るためには、従業員への教育と訓練、定期的な研修の実施、繰り返しの訓練が必要です。

従業員一人ひとりが正しい知識と行動を身につけることは、被害の最小化や事業の迅速な復旧に不可欠です。そのため、対応手順をまとめたBCPマニュアルを作成し、全従業員がいつでも確認できるよう共有します。さらに、災害時には安否確認や業務連絡を迅速に行えるよう、緊急連絡先リストや連絡手段もあらかじめ決めておきましょう。

BCP対策の課題と専門家を活用するメリット

多くの企業でSaaSの利用が進む一方、それに伴う新たな課題も生まれています。情報資産の管理は複雑化し、BCP対策をどこから手をつければよいか分からないという声も少なくありません。

ここでは、そうした課題を乗り越え、実効性のある対策を講じるためのヒントと、専門家を活用するメリットについて解説します。

SaaS増加による情報資産管理の複雑化

SaaSの急速な増加により、これまで以上に情報資産管理が複雑になり、無駄なコストやセキュリティリスクも爆発的に増加しています。退職者や取引先からの情報漏れや不適切な管理者権限の設定なども増えており、組織の情報システム担当者への負担は増すばかりです。

さらに、各部署や担当者が個別にSaaSを導入するケースが増えたことで、属人化が進む点も課題です。結果として、情報システム部門が全体の利用状況を把握できず、特定の担当者に管理が集中し、統一的な管理が困難に。その担当者しか利用状況やセキュリティ設定を把握していないため、システムがブラックボックス化するリスクも生じます。

BCP対策を体系化するISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)

複数のSaaSを利用することで複雑になった情報セキュリティの課題に対し、その場しのぎの対策を繰り返すだけでは限界があります。そこで、BCP対策を含めた情報セキュリティ全体を体系的に管理する仕組みとして、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)が重要な役割を果たします。

ISMSとは、情報セキュリティを守るために、会社としての方針やルールを定め、どのようなリスクがあるかを分析し、計画的に対策を実行・見直ししていく一連の取り組みのことです。

この仕組みには、自然災害やサイバー攻撃といった事業の継続を脅かすあらゆるリスクへの備えも含まれています。特定のツール(ウイルス対策ソフトなど)を導入して終わりではなく、PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を回し続け、継続的にセキュリティレベルを高めていく点が大きな特徴と言えるでしょう。

加えて、ISMS認証は組織が情報セキュリティを適切に行っている証明になるため、顧客や取引先からの信頼性向上にも大きく貢献するでしょう。

自社のみで対応が難しい場合はISMS認証コンサルタントに相談

自社のみでISMS認証を取得する場合、専門知識の不足、膨大な作業工数、担当者の負担増が大きなハードルとなります。特に、初めて取り組む企業にとっては、要求事項の解釈や文書作成に多くの時間と労力がかかり、本業に支障をきたすリスクもあるでしょう。

そのため、専門コンサルタントに依頼するのは有効な選択肢のひとつと言えます。コンサルタントは豊富なノウハウをもとに認証取得までのプロセスを効率的に支援し、必要な作業を最小限に抑えることで、担当者が本業に集中できるようにします。

さらに、第三者の視点からリスク評価や対策を助言するため、より実効性のある情報セキュリティ体制の構築が可能となります。

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