オンラインストレージ(SaaS型)利用でもISMS認証は取得できる?
「SaaSを使っていると、ISMSは取れないのでは?」そんな不安を感じる方も少なくないでしょう。
結論から言うと、オンラインストレージ(SaaS型)を利用していても、ISMS認証は問題なく取得できます。
本記事では、オンラインストレージ(SaaS型)を利用中でもISMS認証を取得できる理由と、押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。
オンラインストレージを利用していてもISMS認証は取得できる?
前述のとおり、オンラインストレージ(SaaS型)の利用自体が、ISMS認証取得の妨げになることはありません。
しかし、クラウドサービス特有の管理ポイントが審査で確認されるなど、あらかじめ押さえておくべき重要な観点があるのも事実です。
ここからは、認証取得をスムーズに進めるために押さえておきたい具体的なポイントを、順を追って整理していきます。
適切な管理ができていれば「取得可能」
「クラウドだから危険」と考え、SaaS型のオンラインストレージ(Google Drive、Dropbox、Boxなど)を利用していると認証を取得できないと思っている担当者は少なくありません。しかし、リスクを把握して適切な管理ができていれば、SaaS型のオンラインストレージを利用していてもISMS(ISO27001)認証は取得可能です。
なぜ企業でオンラインストレージ導入が進むのか
ISMSの観点からも、オンプレミスからSaaS型ストレージへの移行は肯定的に捉えられています。主な理由は「管理の効率化」と「リスクの転嫁」です。現代の企業でオンラインストレージの導入が進むメリットは、以下の3点に集約されます。
- コスト削減(サーバー設置・保守費用の削減)
- 可用性とスケーラビリティ(容量拡張の容易さ、災害時のデータ保全)
- 専門家によるセキュリティ管理(自社でパッチを当てるよりも、大手プロバイダーの方が最新のセキュリティ対策を維持しているケースが多い)
SaaSを利用することで、企業は「IT基盤の維持」という非生産的な作業から解放され、本来の業務に集中できるようになります。
ISMS担当者が知っておくべきオンラインストレージのリスク
オンラインストレージは便利なツールですが、導入後放置していると、ISMS審査で不適合になるだけでなく、重大な事故につながるリスクがあります。
ここでは、ISMS担当者が知っておくべきオンラインストレージの重要なリスクを、ISMSの要素とガバナンスの観点から解説します。
アクセス権限の設定ミスによる情報漏洩
情報漏洩や不正アクセスは、SaaS利用において最も事故が起きやすい領域です。
例えば「URLを知っている人は誰でも閲覧可能」な設定にしてしまい、社外へ情報が流出するなどの設定ミスは少なくありません。
特に、検索エンジンにインデックスされたり、公開URLを収集するツールで特定されたりした場合、不特定多数への漏洩に発展。単なる設定ミスに留まらず、ISMSの観点では「技術的対策」および「運用の監視」の欠如とみなされ、組織の信頼を大きく損なう要因となります。
シャドーIT(個人アカウントの利用)
会社が許可していない無料のオンラインストレージや従業員の個人アカウントに業務データを保存してしまう「シャドーIT」も事故が起きやすい領域です。
懸念の理由はデータの所有権と制御権の喪失であり、会社の管理が及ばない場所で情報がやり取りされるため、ISMS担当者がコントロールすることは困難です。
また、退職時に組織のアカウントを停止しても、個人アカウント内のデータは持ち出される可能性があり、機密流出や不正利用を防げません。
セキュリティ設定や脆弱性対応も個人任せとなるため、ISMSが求める「継続的な監視」が機能せず、組織全体のガバナンスが形骸化する恐れがあります。
サービス側の障害・データ消失・規約変更リスク
オンラインストレージの利用は、データを他社(プロバイダー)に預けることになるため、「クラウドだから安心」という過信は禁物です。
例えば、プロバイダー側の障害や自社ユーザーの操作ミスが発生した際、バックアップ体制が不十分だと復旧が不可能になります。
また、契約終了後や解約時にデータへアクセスできなくなる、サービス側の値上げや規約変更の影響を受けるといった契約や規約に関するリスクも深刻です。
ISMS担当者は、事業継続計画(BCP)における大きな不確実要素を排除するためにも、責任共有モデルを正しく理解しておかなければなりません。
認証取得・更新に向けたオンラインストレージの運用ルール
ISMSでは、情報を「どこに置くか」よりも「適切に管理できているか」が重視されます。そのため、SaaS利用時は供給者管理(委託先)や責任分界点の明確化などが審査の対象となります。
ここからは、認証取得・更新に向けたオンラインストレージの運用ルールについて解説します。
セキュリティ要件を満たすサービス選定基準を設ける
ISMS認証においてオンラインストレージは資産であり、その選定には厳格なガバナンスが求められます。「安さ」や「便利さ」のみで選ぶとISMSの要件を満たせず、認証の維持が困難になるリスクがあります。
具体的な要件としては、「不正アクセスを検知する詳細なログ監視」「多要素認証やIP制限による強固なアクセス制御」「可用性を担保する明確なSLA(サービス品質保証)とバックアップ体制」が不可欠です。
これらを備えたサービスの選定は、単なる機能選択ではなく、組織の信頼性と事業継続性を守るための管理策そのものといえるでしょう。
利用者・管理者のルールを明確化する
オンラインストレージの運用ルールは、ISMS認証において「情報の機密性」を維持するための歯止めとなります。安全な運用を実現するためには、具体的に以下のようなルールの策定が必要です。
- 認可デバイス・アカウント以外からのアクセス禁止の徹底により、境界外からの不正侵入を物理的に遮断
- 共有リンクの有効期限設定やパスワード設定の義務化
- 退職者のアカウント削除プロセスの徹底
これらのルールを明確化し、適切に運用し続けることで、組織の管理外へデータが持ち出されるリスクを防ぎます。
定期的な棚卸しとリスクアセスメント
オンラインストレージの導入は運用管理の始まりに過ぎません。共有状況の定期的なチェックを行い、不要な権限を削除する「棚卸し」が不可欠です。
また、クラウドサービスは頻繁にアップデートされるため、新機能の追加に伴うリスク評価の更新も重要です。利便性と引き換えに新たな脆弱性が生まれていないかを再評価し、最新のリスク状況に合わせて管理策を最適化することが、ISMS認証を維持する鍵となります。
SaaS利用のセキュリティルール策定に迷ったら
SaaSの利用は便利ですが、自社だけですべてのサービスのリスクを洗い出し、適切なルール(規定)を策定・維持するのは大きな負担です。
「自社の業務実態に合ったルールを作りたい」「審査をスムーズに通過するポイントを知りたい」とお悩みの場合は、ISMS認証コンサルタントへ相談するのもひとつの手です。専門家の知見を活用すれば、過剰なルールで業務効率を落とすことなく、確実かつスムーズに審査をクリアする体制を整えられるでしょう。
まとめ
オンラインストレージは便利ですが、設定ミスやシャドーIT、プロバイダー依存といった特有のリスクを伴います。ISMS認証の審査をクリアし、安全に運用するためには、ログ監視やアクセス制御、SLA確認を軸とした厳格な運用ルールの策定が不可欠です。
しかし、進化し続けるSaaSのリスクを自社のみで網羅し、実務に即した規定を作るのは容易ではありません。プロの視点を取り入れることは、自社に最適化した実効性の高い体制を構築するための現実的な一歩となるでしょう。
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