ISMSリスクアセスメントとは?
ISMS認証に向けたマネジメントシステムの構築には、リスクマネジメントが不可欠となりますが、いったい「リスクマネジメント」とはどのようなことをさし、ISMS認証に向けてどのようなことをしたら良いのでしょうか。ここでは、ISMS認証のリスクアセスメントの実施に向けた概要や手順をわかりやすく解説していきます。
まず基本的な考え方を理解するために、リスクアセスメントのリスクの特定・分析・評価といった一連の流れを紹介しますので、具体的にどのような作業が必要になるのかをイメージしてみてください。加えて、リスクアセスメントが有効活用できていないケースや、情報資産の重要度を決める方法などを通して、リスクアセスメントにおけるポイントについてもみていきましょう。
ISMSのリスクアセスメントの流れについて
リスクアセスメントとは?
リスクアセスメントとは、組織で扱っている情報にどのようなリスクがあるのかを明確にし、そのリスクが組織にどの程度の影響を及ぼすのかや、どれくらい重要性が高いのかといったことを洗い出す一連の作業のことです。
ISMSリスクアセスメントの流れ
リスクアセスメントには「リスク特定」「リスク分析」「リスク評価」という主に3つのプロセスがあります。ここでは簡単にその3つのプロセスにおける作業内容を見ていきましょう。
- リスク特定
- リスク分析
- リスク評価
リスク特定とは、ISO27001における情報セキュリティの三大要素である「可用性・機密性・ 完全性」を損なう要因を明確にすることです。組織がもつ情報資産をすべて洗い出し、業務ごとあるいはファイルの保存場所といったように分類します。
リスク分析とは、リスク特定を経て明確にされたリスクが、組織にどれほどの影響力を持つのかを調べることです。
リスク評価とは、そのリスク分析の調査内容をもとに、リスクの重要性や影響力を考慮して、組織的にそのリスクにどう対応するのかを整理することです。
以上のプロセスを経てリスクの影響力や重要性を洗い出したうえで、そのリスクに対し組織的にどう対応していくのかを事前に判断することが、リスクマネジメントの目的となります。
リスク分析について
ISMSリスクアセスメントの一連の流れのなかで、とりわけ重要なのがリスク分析です。リスク分析では、リスク特定で洗い出した情報資産についてどの情報資産にどのようなリスクが伴うかのかを情報セキュリティの三大要素である「可用性・機密性・ 完全性」に基づいて分析します。たとえば、次のような例が挙げられます。
- 可用性を損なうリスク…データの破損、サーバーの停止、パスワード忘れによって情報にアクセスができなくなる
- 気密性を損なうリスク…メールの誤送信、ウイルス感染、データ端末の紛失、プライベートの会話や情報発信による情報漏えい
- 完全性を損なうリスク…ウイルス感染、プログラムの誤作動、入力ミスによるデータ書き換えや改ざん
リスクアセスメントが有効活用できていないケースから原因
リスクアセスメントを実施しているにもかかわらず、それを有効活用できず、効果が感じられない場合には、リスクアセスメントの見直しが求められます。リスクアセスメントがうまくいかない場合の原因として考えられるのが、次の3つ。
- リスクアセスメントの仕組みが組織の業務プロセスと適合していない
- リスクアセスメントの手法が複雑すぎて、プロセスが有効化できていない
- リスク評価の基準が明確にされておらず、評価が定まらない
これらの原因に対する改善策を考える上で見直すべきポイントは、まず組織の業務実態に合った内容にすること。そして、ごくシンプルな内容に修正することもポイントです。現場の業務フローと照らし合わせてみて、それに沿った内容になっているかどうか。また、実際の業務内容と照らし合わせながら、リスクが発生する可能性や想定されるリスクの大きさを細かな項目ごとに数値化して明確にし、評価基準にばらつきが出ないようにしましょう。さらにそのうえで何を優先するべきか、どうするべきか、本当に必要な対策をもう一度見直してみると、リスクアセスメントが効果的に運用できるようになるはずです。
情報資産のリスクの重要度について
さきほどの「リスクアセスメントが有効活用できていないケースから原因」のセグメントでは、後半で「業務内容と照らし合わせ何を優先するべきかが重要である」という内容にも言及しました。それでは、優先順位をどのように考えて行けば良いのか、その際の判断材料となるのが「リスクの重要度」という指標です。
リスクアセスメントでは、情報セキュリティの三大要素である「可用性・機密性・ 完全性」を用いて、個々の情報資産がどれほどの「重要度」をもつのかを判断します。たとえば、「可用性1・機密性2・ 完全性3」の場合は「重要度3」または「可用性2・機密性1・ 完全性1」の場合は「重要度2」というように、「機密性・完全性・可用性」のうち、数値が最も高いものを「重要度の数値」とします。
まとめ
このページでは、ISMS認証で求められるリスクアセスメントについて解説してきました。組織のもつ情報資産を個々に評価し、リスクを明確に洗い出していくリスクアセスメントの作業には、大変な手間と多くの時間がかかります。また、実際に運営してみてからの改善や修正が必要となることもあるでしょう。しかし一度しっかりとした仕組みを構築できれば、効果的に運用できるようになり、組織のセキュリティシステムはいっそう強固なものになります。手を抜かずリスクアセスメントのプロセスを実行することで、しっかりとした情報セキュリティシステムを構築していきましょう。
ISMS認証コンサル
ISMS認証コンサルを選ぶ際、選ぶポイントは大きく「費用」「対応業種」の2つに分かれます。無駄なコストをかけないためにも、自社の目的に応じたISMSを得意とするコンサルティング会社を選ぶようにしましょう。ここでは2024年1月24日に「ISMS認証コンサル」で検索し表示されたコンサルティング会社のうち、ISMS認証取得のコンサルティングを主業務とする企業の中から、ISMS(ISO27001)の審査通過率が100%で、支援実績数が1,000件以上(調査時点)ある2社をご紹介します。
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※2024年1月24時点、Google検索において「ISMS認証コンサル」と検索して検索結果100位までに表示された企業のうち、ISMS(ISO27001)認証取得コンサルティング業務を行っている会社の中から、ISMS(ISO27001)の審査通過率が100%で、今回の調査時点で支援実績数が1,000以上であることが記載されている企業。