脅威インテリジェンスとは?
ある日、あなたの会社がサイバー攻撃に遭いました。「犯人は?」「侵入経路は?」そんな疑問を解き明かすための手がかりとなるのが、脅威インテリジェンスです。ここでは、脅威インテリジェンスについてわかりやすく解説しています。
そもそも脅威インテリジェンスとは?
脅威インテリジェンスとは、サイバー攻撃に関する情報を集めて分析し、その結果得られた有効な情報のことです。もう少し詳しく説明すると、最新の攻撃の手法や脆弱性、攻撃者の行動パターンなど、さまざまなデータを収集・分析し、具体的な脅威を特定することを指します。
日々進化を続けるサイバー攻撃に対しては、従来の対策だけでは対応が難しいのが現状です。脅威インテリジェンスを導入することで、攻撃が発生する前に、その兆候をいち早く察知し、適切な対策を講じられるようになります。
脅威インテリジェンスがISMS規格に採用された背景とは?
2022年10月に改訂されたISMS規格において、脅威インテリジェンスが新たに採用された背景には、昨今のサイバーセキュリティ環境の変化があります。
例えば、従来の対策では対応が困難な標的型攻撃やゼロデイ攻撃のように、巧妙化する攻撃の増加。さらに、その手法も日々進化し多様化しているため、組織は最新の情報に基づいた対策が必須です。加えて、GDPRなどの法規制も強化される中、脅威インテリジェンスも組織に不可欠な要素へと変化しつつあります。
脅威インテリジェンスから得られる3つのメリット
ISMS認証において、脅威インテリジェンスは組織のセキュリティレベルを大幅に向上させるための重要な要素です。サイバー攻撃から身を守り、ビジネスの継続性を確保する、脅威インテリジェンスから得られるメリットについて解説しています。
メリット1.サイバー攻撃の早期発見と対策が可能
脅威インテリジェンスは、世界中で発生している最新のサイバー攻撃や脅威情報を収集し、それらを解析することで、攻撃の兆候や動きを事前に検知する力を提供します。これにより、まだ被害が出る前に防御策を講じることが可能になります。たとえば、攻撃者が使用する手法やツール、感染経路を把握することで、ネットワーク内の異常な通信やシステムの不審な動作を迅速に検知できます。また、具体的な脅威情報に基づいて脆弱性へのパッチ適用を効率的に行うことができるため、攻撃の初期段階での対応が可能となり、システムの安全性を確保に繋げられます。
メリット2.インシデントへの対応力がアップ
攻撃者の行動パターンや攻撃の目的を深く理解することで、インシデント対応の計画や訓練がより効果的なものになります。たとえば、特定の攻撃者グループの戦術や技術、手順(TTPs)を把握しておくことで、実際の攻撃時にどのような対応が効果的かを事前に想定し、準備することができます。また、インシデント発生後には、脅威インテリジェンスを活用して攻撃者が残した痕跡を迅速に分析し、被害の拡大を防ぐための対応を取ることが可能です。結果として、インシデント対応のスピード・対応の精度をアップさせられます。
メリット3.自社に最適化したセキュリティの実装が可能
脅威インテリジェンスの導入により、企業が直面するリスクや攻撃対象となり得る資産を明確化することができます。この情報を基に、特定の業界や企業規模に応じたセキュリティ対策をカスタマイズし、効果的なセキュリティ強化を実現できます。たとえば、製造業であれば産業制御システム(ICS)を狙った攻撃に重点を置いた防御策を導入したり、金融業であれば個人情報を守るための暗号化技術を強化したりするなど、業界ごとの特性に対応した対策が可能です。
脅威インテリジェンスの種類
脅威インテリジェンスには、さまざまな種類があり、大きく分けて以下の4つに分類できます。それぞれの内容を説明していきます。
戦略的脅威インテリジェンス
戦略的脅威インテリジェンスは、経営層や意思決定者を対象とした高レベルなインテリジェンスで、サイバー脅威の全体像やトレンドを理解するためのものです。このインテリジェンスの目的は、長期的な視点から、組織全体のセキュリティ戦略を策定し、リスクを軽減することです。業界全体の脅威傾向や、新たな攻撃手法の普及状況、法規制の動向など、広範な情報が含まれます。
活用例としては、長期的なセキュリティ戦略の策定と目標達成の支援、将来発生する可能性のあるインシデントに備えた、対応計画の策定などです。加えて、パートナー企業のセキュリティリスクを評価することで、サプライチェーン全体のセキュリティ強化に貢献します。
戦術的脅威インテリジェンス
現場レベルでの実用的な情報に特化したインテリジェンスです。攻撃者の手法・使用するツール・標的とするシステムの特性など具体的なデータが含まれ、特定のマルウェアのハッシュ値や攻撃に使用されるドメイン情報を特定し、ネットワークから隔離することで被害の拡大を防ぎます。
活用例としては、感染した端末を特定してネットワークから隔離することで被害の拡大を防ぐことが挙げられます。また、攻撃者がどのようにシステムに侵入したのかを特定し、その経路を遮断することで再発を防ぐこともできます。
運用上の脅威インテリジェンス
運用上の脅威インテリジェンスは、特定の攻撃キャンペーンや脅威アクターに焦点を当てた情報です。この種類のインテリジェンスは、攻撃の背景にある意図や目的を理解し、セキュリティ戦略をさらに効果的なものにするためのものです。具体的には、攻撃者の行動パターンや活動のタイミング、使用するツールなどを分析することで、組織の脆弱性を突かれないよう予防的な対応が可能となります。
技術的脅威インテリジェンス
サイバー攻撃の技術的な側面を分析するインテリジェンスです。サイバー攻撃が発生している現場で得られる、マルウェアのコード、脆弱性、攻撃手法など、具体的な証拠や手がかりが含まれます。
活用例としては、発見されたマルウェアを分析し、特徴や動作を特定、評価して、パッチ適用などの対策を優先順位付けします。さらに、ネットワークトラフィックを監視し、既知の攻撃パターンと照合することで侵入を検知するため、セキュリティ対策の自動化に繋げられます。
脅威インテリジェンスの導入が進んでいる会社の取り組み方
脅威インテリジェンスの導入が進んでいる会社では、どのような取り組みが実施されているのでしょうか。ここでは、情報セキュリティ担当者が取り組んでいる活動の中から3つのポイントを解説します。
データの構造化
脅威インテリジェンスを組織内に導入し、その情報を効果的に活用するためには、データの構造化が大切。構造化されたデータは、分析しやすく、関係者間での情報共有もスムーズに行えます。
例えば、脅威の種類・発生日時・影響範囲・対策といった情報を標準化されたフォーマットで管理することで、関係者全員が共通の認識のもと、迅速な対応が可能になります。構造化されたデータに基づいた報告書を通じて、組織のセキュリティ状況を正確に把握し、適切な意思決定を行うことができます。
情報収集の明確化
脅威インテリジェンスを活かすためにも、何を収集するのかを明確にしておきましょう。情報収集の範囲が広すぎると分析が困難になり、かえって効率が悪くなってしまうからです。限られた時間の中で、効率的に情報を収集するためには、対象を明確にするだけでなく、収集範囲なども定期的に見直し、変化する脅威に対応できるようにします。
例えば、インシデント対応の迅速化、セキュリティ対策の最適化などが考えられます。どのような脅威に重点を置くべきかを特定し、必要な情報を詳細に定義しましょう。
プロセス化
脅威インテリジェンスの導入には、継続的な取り組みと改善が不可欠です。脅威情報の収集から分析、対応までの一連の活動を体系的に整える「プロセス化」が大切です。仕組みを明確にすることで、組織内で一貫性のある運用が可能となり、改善への取り組みがしやすくなります。
例えば、シミュレーションを定期的に実施し、攻撃が発生した場合の対応能力を検証することや、従業員向けにセキュリティ研修を実施してスキルを向上させる取り組みなどです。プロセス化することで業務の効率化を図りながら、継続的な運用に繋げられます。
まとめ
脅威インテリジェンスは、サイバー攻撃の早期発見や迅速な対応、自社に最適化したセキュリティ対策を可能にする重要な要素です。また、ISMS認証を検討する際にも大切な要素ですが、自社ですべてを行うにはノウハウ・スキル面から苦戦するケースも少なくありません。難しいと感じた際にはプロへの依頼も検討することで、これまでの経験・ノウハウをもとにスムーズなISMS認証をサポートしてくれます。
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